今回はデータ復元ソフト"EaseUS Data Recovery Wizard for Mac"の検証です。ついうっかり消去したデータ復元がどこまでできるのか検証します。ファイル復旧ソフトとしての精度をみるためにいくつかの方法で試しました。
今回は無料版を使用しています。
メインで使用しているMacBook Pro(Late2016)で検証しました。MacBook Proは使用期間が4年近いためどこまで復元できるかという点では適した素材だと思います。
なお、検証で使用した期間が短いため、評価が十分でない点があるかもしれませんが、その点はご了承願います。
目次
EaseUS Data Recovery Wizard for Mac検証の背景
唐突にこの製品の検証をするわけですが、現在私が使用しているMacBook Proのストレージが512GBしかなく4年近く使っており空き容量が50GB弱と、かなり容量を圧迫している状況です。
日々、データを整理しながら作業をしていると、"うっかり"データを消去してしまうという場面に出会すことがあります。そんな時に手軽にデータを復元できるアプリケーションがないかと漠然と考えていたのですが、この"EaseUS Data Recovery Wizardfor Mac"に行きついたので検証することにしました。
製品紹介
発売元は有限会社イーザスソフトウェア(日本法人)という中国に本拠地を置く企業の製品です。
製品名:EaseUS Data Recovery Wizard for Mac
WEBサイト:https://jp.easeus.com/mac-data-recovery-software/mac-drw-free.html
Mac内蔵のストレージ(SSD)や外付けHDDにも対応しているようです。
インストールは上記のURLからダウンロードしたファイルをデスクトップ上で展開し、アプリケーションフォルダーにコピーするだけです。
製品の使用方法
インストールと起動
インストールは極めて簡単で、同社のサイトから無料版をダウンロードして、アプリケーションフォルダーに保存するだけです。
※画像は全てクリックで拡大表示されます(高解像度)
続いて起動すると次の画面が起動します。対象のディスクまたはメモリーを指定してスキャンするだけです。あとは復元可能なファイルが表示されるので復元対象のファイルを選択して取り出します。
検証に使用する機器
機種:MacBook Pro/Late2016(RAM16GB)
SSD:512GB
空き容量:46.51GB(検証時点)
検証結果
スキャンの所要時間
スキャンを開始すると所要時間が5時間以上(5:33:18)と表示されますが、実際の所要時間は1時間前後でした。ストレージの容量が多いとさらに時間がかかるものと思われます。
スキャンの結果表示
スキャンの結果表示は参考に画像で掲載しますが、いくつかのスレッドができます。Mac本体のフォルダーの構成に準じて表示されますが、別のスレッドではファイルの種別で表示されるなど検索の柔軟性はある程度確保されています。
スキャン結果の表示は消失したファイルだけでなく現存するファイルも表示されます。そのためフィルター機能を使うことで消失したファイルだけを表示することが可能です。
大量のデータがあると検索するのが大変ですが、大切なファイルを復元することと引き換えに時間を使うことは避けられないでしょう。
復元されたデータ
復元されたデータを確認したところ、昨年11月頃に削除した動画が復元されていました。さらに検証直前に削除した写真データも復元されていました。
もとより相当数のデータが復元されていますから、目的のデータにたどり着くには相応の時間が必要でしょう。ファイル名の手がかりがあれば検索も可能です。
一方で全ての消失したデータが復旧されるものでもないようです。
この結果については次にあげるストレージの特性を理解する必要があります。
ストレージの特性と理解しておくべきこと
こうしたソフトウェアを利用する上で、理解しておくべきことがあります。データ復旧ソフトウェアが完全にデータを復元するかというと、必ずしもそうとは限りません。
いわゆるストレージに使用されるハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)は書き込みや読み取りをすることで利用できますが、削除については書物(本)でいうところの「目次(index)」が削除されただけでデータの本体は残されています。その後、新たなデータの書き込みがされるにしたがってデータの本体が上書きされていきます。
そのため、今回検証した"EaseUS Data Recovery Wizard for Mac"の使用上の注意点としてはうっかりファイルを消去した場合、速やかに復旧を試みるという点です。そうすることでデータの復元の可能性が高まります。
まとめ
今回は使用方法など詳細な確認をせずにトライしましたが、それでもベーシックな使用方法にすぐに辿り着きましたので、そういう点ではユーザーインターフェースは優れているのではないかと思います。
もっとも重要な検証すべき点は復元の精度がどこまでなのか、という点です。これについは相当数の消失ファイルの復元が確認できましたので、製品としての精度は高いのではないかと考えています。
一方で目的のデータが復旧される可能性についてはHDDの空き容量など様々な条件に左右されることが想定されます。
コストパフォーマンスの点については今回の検証では評価できませんが、大切なデータを守るためであれば一定のコストは必要だと考えられます。
今回の検証にとどまらず継続して活用していきます。
無料版は機能に制限がありますので、有償版を入手する機会があればじっくり検証してみたいところです。
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