AppleCareは必要ですか?Appleの延長保証"AppleCare+"(アップルケアプラス)に入るべきか迷っていませんか?
Apple歴20年以上の筆者は"AppleCare+"に加入しません。その理由は20年を経てほとんど故障が無かったことや、過失による損傷が無かったからです。筆者自身は20年以上Apple製品を使い続けていますが、AppleCare+未加入で後悔したことはありません。
この記事ではAppleCare+が要らない理由、Apple製品の故障経験や一般的な故障率、AppleCare+以外の保険について解説します。
筆者はMacを20年以上、iPhone・iPadを10年以上使っています。過去に数回"Apple Care+"に加入しましたが故障は購入後1年以内の初期不良か延長保証期間が過ぎてからの故障ばかりでした。これは"Apple Care+"による延長期間の恩恵がほとんどの場合得られないということです。
月払いプランや年間プランが自動更新なので保証を継続できますが、掛け金の支払い総額が増えてしまいメリットがありません。
一方で"AppleCare+"は製品本体の修理だけでなく"テクニカルサポート"という製品の使い方・設定やソフトウエアに関するサポートが含まれるのがメリットです。わからないこと、煩わしいことやトラブル解消に時間を使いたくないユーザーには便利なサービスです。
テクニカルサポートは製品の使い方や端末の設定に不慣れなユーザーにメリットはありますが、本体の保証だけが目的なら"AppleCare+"(アップルケアプラス)は不要です。
落下による損傷や水没がどうしても心配というユーザーは"AppleCare+"だけでなく比較的安価なスマホ保険やモバイル保険という選択肢がありますが、それも筆者としてはおすすめではありません。
"Apple Care+"とは?
AppleCare+は有料の延長保証であり製品の故障や過失損傷の修理だけでなく機器本体の設定などのテクニカルサポート付きの保険・サービスです。
ここでは”AppleCare+”の保証範囲や期間について簡単に紹介します。
保証範囲と保証期間
Appleの製品には購入後1年間のハードウエア限定保証と90日間の無償テクニカルサポートが付いています。
さらに"Apple Care+"(アップルケアプラス)に加入すると保証期間が延長されます。保証期間は機種や"年払い"、"月払い"、"一括払い"、によって異なります。
"年払い"と"月払い"は解約しない限り支払い続けることになり保証期間が延長されます。
iPhoneまたはiPadの場合は一括払いで2年間、Macの場合は3年間ですが、月払いなら解約せず支払い続ける限り保証が続きます。
購入時に加入しなくても製品購入後30日以内なら加入することができます。
なお、無償修理の対象が"製造上の不具合と材質の不具合"に限られるということは理解しておく必要があります。故障したからといってなんでも無料で修理できるわけではありません。
”AppleCare”(無料)と”AppleCare+”(有料)の違いは以下の表の通りです。
種別 | 保証内容 | 保証範囲 | 保証期間 |
AppleCare | 1年間のハードウエア限定保証 | 製品に起因する故障(無償修理) | 1年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償テクニカルサポート |
AppleCare+ アップルケアプラス | 延長された期間のハードウエア保証とテクニカルサポート | 製品に起因する故障(無償修理)+過失や使用による損傷・劣化箇所の修理(自己負担金あり)+テクニカルサポート | 3年間(または2年間)製品や支払い方法(年払い、月払い、一括払い)により期間延長可能 |
"AppleCare+"は過失による損傷の場合に自己負担金が必要になりますが、"AppleCare+"未加入よりも安価に修理サービスを受けることができます。さらに、劣化による無償のバッテリー交換も対象に含まれます。バッテリー劣化が早いユーザーにはメリットがあるように見えますが、"AppleCare+"の掛け金とバッテリー交換の費用を比べるとメリットがあるとは言えません。
参考記事:iPhoneのバッテリー最大容量の減りが早い原因と対策7項目!
【実例】Apple歴20年以上の経験とAppleCare+不要の理由
ここで筆者の修理経験とAppleCare+加入・未加入による費用の検証をします。
筆者の故障・修理経験
筆者の場合、この20年間でApple製品の修理とバッテリー交換の経験は合計6台です。
機種 | 故障状況 |
Mac mini | 購入直後に冷却ファンが止まらず爆音、1年のハードウェア限定保証期間内で無償修理 |
MacBook Air | 購入から3年6ヶ月で起動できず、ロジックボードとバッテリー交換で58,300円/税込 |
MacBook Pro | 購入から3年4ヶ月でバッテリーが膨らむ、バッテリー交換で21,780円/税込 |
iPhone | 自然劣化によるバッテリー交換(計3台) いずれも購入から2年以上、5,940円/税込 |
Macは1年以内または3年越えての修理、iPhoneは3台とも2年越えでバッテリー交換という状況です。iPadに至っては最長6年使った機種でも故障や過失による損傷は1度もありません。
この状況だけで考えると"Apple Care+"(延長保証)に加入していたとしても保証期間切れまたはコスト増で恩恵を受けることはできません。保証を更新して費用を支払い続ければ保証が受けられた可能性はありますが、"Apple Care+"の累積費用がさらに増加します。
また、筆者の場合は機器の扱いに慣れていて、修理以外ほとんどのことは自己解決できます。そのため私自身は"Apple Care+"(アップルケアプラス)は必要ないと判断しています。
検証:AppleCare+加入と未加入のコスト比較(iPhoneの場合)
ここでiPhone15(無印)を例にAppleCare+加入の場合と加入しない場合の費用を検討してみましょう。あくまでも単純計算ですので参考程度にしてください。
iPhone15(無印)で盗難・紛失保証なしで2年加入で想定します。この場合月額1,340円×24ヶ月で計32,160円です。2年間でバッテリー交換が1回とするとAppleCare+未加入の場合のバッテリー交換費用は15,800円です。これなら未加入で普通にバッテリー交換するほうが費用が安くなります。しかもAppleCare+加入でバッテリー交換が無償になるのはバッテリーの最大容量が80%未満の場合に限ります。ヘビーユーザーでもない限りバッテリー最大容量が80%を下回るには一般的に2年以上必要です。
iPhon15(無印)の場合 | 掛け金 | バッテリー交換 |
---|---|---|
"AppleCare+"2年加入(月払い) | 32,160円 | 0円(最大容量80%未満であること) |
"AppleCare+"未加入 | 0円 | 15,800円 |
次に画面割れで検証します。バッテリーと同様に2年で支払い総額が32,1600円です。AppleCare+未加入の場合の画面割れ修理費用は42,800円です。AppleCare+加入の場合でも自己負担金として3,700円必要です。AppleCare+加入している方が6,940円安くすみます。ただし、画面や背面はケースで保護する場合がほとんどなので画面割れや背面のガラス割れのリスクは低いでしょう。
iPhon15(無印)の場合 | 掛け金 | 画面割れ修理 | 合計額 |
---|---|---|---|
"AppleCare+"3年加入(月払い) | 32,160円 | 3,700円(自己負担金) | 35,860円 |
"AppleCare+"未加入 | 0円 | 42,800円 | 42,800円 |
バッテリーの消耗対策やケースによる筐体保護などの対策をすれば修理の可能性をある程度減らすことが可能です。高額のAppleCare+加入よりも本体の保護に費用を使う方がコストパフォーマンスが高いと言えます。
参考記事:MacBook Pro (2016)のバッテリーが膨らんだので修理!
参考記事:MacBook Airが起動しない時は修理で解決!費用・金額など修理詳細を解説!
AppleCare+の加入率は約5%
では、AppleCare+の全体の加入率はどれくらいでしょうか。
Appleのサブスクリプションサービスの実態を調査したレポートがあります。
https://cirpapple.substack.com/p/apple-services-not-as-dominant-as
海外の記事ですがこれを見るとAppleCare+(延長保証)の加入率は約5%と報告されています。Apple製品購入者100人のうち5人が加入しているということになります。
とても少ないですよね。推察の範囲ですが、これは掛け金が高額であることやそもそもメリットを感じないというのが理由かもしれません。または代替のスマホ保険やモバイル保険に流れている可能性もあります。
一方こちらは国内の調査レポートですが、AppleCare+加入者の満足度は高いようです。加入者の過半数の57.6%が「(やや)満足している」と回答しています。ただし、その理由がAppleへの信頼感や安心感に起因していることが気になります。
逆に「どちらともいえない」と「(やや)不満」を合わせると42.4%になるという点も注目できます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000076752.html
この調査で保険会社が提供するスマホ保険やモバイル保険の満足度が70.3%に達している点は注目できます。満足度が高い理由として掛け金の安さがトップに挙げられています。やはり安さがポイントです。
別の調査でAppleが壊れにくいパソコンメーカーランキングの4位に名前が挙がっています。3万人を対象として調査ではありますが、信頼しても良いと思います。
すでに記載した通り、筆者の20年以上、iPhone・iPad・Mac・Apple Watch合わせて約30台のApple歴の中でも自然故障が極めて少ないことも参考になります。
初期不良は無料の1年保証に任せて過失損傷は保険会社のスマホ保険やモバイル保険でカバーするのが、コストパフォーマンスが高そうです。
故障率で見ると"Apple Care+"はメリットが少ない
ここで、故障率の推移はどのようなものか、一般的な工業製品の故障率について確認します。
初期不良が発生しやすい期間は最初の1年間
初期不良とは潜在的な製造上・設計上の問題あるいは部品や材質の問題によって使用開始直後に不具合が発生することです。
初期不良が発生する確率は購入直後(初期故障期間)が最も高く時間経過とともに低下していきます。そして一定の期間を経て安定した(低い)故障率(偶発故障期間)に落ち着きます。
一般的な工業製品には1年の保証期間が無料で付いています。これは初期不良への対応を想定したもです。つまり故障は購入後1年以内に発生することが多いということです。
※現在、Mac本体のAppleCare+は年間プラン(有料)の登場により解約しない限り保証が継続されますが、継続すればするほど掛け金の支払い総額が増えます。
使用過程における消耗や劣化
工業製品を長期間使用すると摩耗や部材の疲労などで徐々に劣化します。
初期不良の発生しやすい期間をすぎると故障率は低下しますが、さらに使用を重ねていくと部品の動作や干渉・嵌合(かんごう/重なり合いや接合)の状況、熱・湿気やホコリなど様々な要因で劣化・摩耗します。こうした使用の影響により故障が発生します。(摩耗故障期間)
初期故障期間には高かった故障率は徐々に低下します。故障率が最も低下した偶発故障期間が一定期間継続し、その後時間経過とともに摩耗・劣化によって故障率が再び上昇します。
つまり"Apple Care+"による延長期間(購入後1年以降)が故障率の最も安定した(低い)期間にあてはまる可能性があります。(月払いや保証期間を更新した場合を除く)
このように故障率の推移を考えると"AppleCare+"による有料の保証延長における製品に起因する故障の可能性が低く"AppleCare+"加入によるメリットは低いです。保証を延長すればさらに費用がかさみ、より一層メリットが少なくなります。
全ての不具合が対象というわけではない!
"AppleCare+"の延長保証は全ての不具合が対象というわけではありません。
保証の対象範囲は保証規約を確認しておく必要があります。
"AppleCare+"の無償保証の対象範囲は「製造上または材質上の不具合に起因する場合」に限られます。
また、無償ではなく一定の自己負担金で修理できる対象(いわゆるADH)は「過失による損傷」に限られます。しかも損傷の状況や程度によっては対象とならない場合があります。
"AppleCare+"保証規約を見る
まず、無償で修理が可能となる保証の対象範囲を見ましょう。
"お客様が、本プランの期間中に Apple に対し、材質上または製造上の不具合が対象機器に生じた旨、または充電式 バッテリーを内蔵する対象機器に関して、対象デバイスのバッテリーの蓄電能力が本来の仕様の 80 % 未満になった旨 のいずれかを通知することによって有効な請求を行った場合、Apple は、(i) 新品の部品、または性能および信頼性に おいて新品と同等の部品を使用して無償で不具合品の修理を行うか、(ii) 当該対象機器を新品の交換用製品、または性 能および信頼性において新品と同等の交換用製品と交換します。"(※"AppleCare+ for Mac"の条文より抜粋)
特に理解しておく必要があるのは一番目に挙げた"材質上、製造上の不具合"という文言です。
これは次に挙げる条文とも併せて理解しておく必要があります。
"通常の使用による経年劣化、または対象機器の機能に影響しない外観上の損傷"
つまり無償修理の保証対象となるのはあくまでも"材質上、製造上の不具合"であって、"使用過程の影響で発生した不具合は無償保証の対象にならない"ということです。
故障したからといって全てが無償修理の対象になるわけではありません。
保証規約をしっかりと確認してから"AppleCare+"(延長保証)の加入を検討しましょう。
"AppleCare+"無償修理の補償範囲
無償修理の対象範囲は整理すると次のようになります。
✔︎ 材質上または製造上の不具合が生じた場合
✔︎ 内蔵するバッテリーの蓄電能力が本来仕様の80%未満になった場合
材質上、製造上の不具合とはいわゆる"材質や部品のばらつき"や"製造過程におけるばらつき"が原因になりますから、一般的には対象製品の使用開始後、早い段階で生じると考えられます。
私の場合、使用開始後1週間程度でMac miniの内蔵ファンが常時爆音で動作し続けるという症状が生じたため無償修理となったことがありました。
バッテリーは使用状況により消耗の程度に格差があると思われますがメリットについては有償で修理した場合の費用と"AppleCare+"(延長保証)の費用を比較すると微妙なところです。
なお、Apple製品購入時に付属する1年限定保証ではバッテリーの蓄電能力に対する保証はありませんから、この点は"AppleCare+"の無償保証の特徴と言えるでしょう。
自己負担金が必要な過失損傷の条件
"AppleCare+"(延長保証)は無償で修理できる範囲がある以外に過失による損傷について一定の自己負担金で修理できるサービスがあります。(AHDサービス)
規約の条文は次の通りです。
"お客様が、本プランの期間中に Apple に対し、不測かつ不慮の外的事由 (落下や液体接触による損傷など) の結果生 じた過失や事故による損傷 (以下「ADH」) により対象デバイスが故障したことを通知することにより有効な請求を行っ た場合、Apple は独自の裁量により、以下に記載するサービス料金にて、(i) 新品の部品、または性能および信頼性にお いて新品と同等の再生部品を使用して不具合品の修理を行うか、(ii) 当該対象デバイスを新品の交換用製品、または性 能および信頼性において新品と同等の交換用製品と交換します。お客様が ADH のサービスを受けることを「サービス イベント」と呼びます。なお、以下の点にご留意ください。Apple がお客様に対して本プランの領収書原本に記載され ている購入日を基準に 12 か月の期間につき 2 回のサービスイベントを提供することにより、ADH のサービスは終了し、本項に基づく Apple のお客様に対するすべての義務が履行されたことになります。未使用のサービスイベントは失 効し、その後の 12 か月間は新しい ADH サービスイベントが 2 回まで保証されます。本プランのその他すべてのサー ビスは、プランが終了するまで保証されます。"(※"AppleCare+ for Mac"の条文より抜粋)
端末を落としたり、液体をかけてしまって対象製品が動作しなくなったりした場合に通常の修理料金より低価格で修理ができるサービスです。
"Apple は独自の裁量"という表記が気になりますが、過失損傷のリスクがある場合はこの制度はいくらかメリットがあります。
ただし、"AppleCare+"(延長保証)の費用と修理時の自己負担金の合計を考慮すれば必ずしもメリットがあるとは言えません。
また、このサービス(ADH)には修理回数の制限があり、1年間に2回までで、未使用の権利の翌年への繰越はありません。
"AppleCare+"はアクセサリー類も対象範囲に
"AppleCare+"(延長保証)には対象製品と同時に購入したApple製の周辺機器類や購入時にパッケージに含まれていたApple製の周辺機器類が対象となる場合があります。
"本プランは、次の機器 (総称して「対象機器」) を対象としています。(i) お客様の本プラン確認書に記載されている Apple ブランドの Mac コンピュータまたはディスプレイ (お客様の Apple ブランドのディスプレイに含まれていた、 もしくは同時に購入された Apple ブランドのスタンドや VESA マウントを含む)、購入時のパッケージに含まれていた Apple ブランドのアクセサリ (以下「対象デバイス」)、(ii) Apple ブランドのマウス、Magic Trackpad、Apple ブラン ドのキーボード (対象デバイスに付属する場合、または Mac mini もしくは Mac Pro とともに購入された場合)、 Apple ブランドの VESA マウントやスタンド (Mac の対象デバイスに付属する場合、または Mac の対象デバイスとと もに購入された場合)、Apple メモリモジュール (RAM)、および Apple USB SuperDrive (以下「Mac アクセサ リ」) (お客様がこれらの製品を対象デバイスの購入日の 2 年前以降に最初に購入し、対象デバイスとともに使用してい る場合)。"(※"AppleCare+ for Mac"の条文より抜粋)
一方で"AppleCare+"(延長保証)に加入しない場合はAppleの「1年限定保証」が適用されますが、こちらも対象製品のパッケージに含まれる周辺機器類が保証対象となります。
"Apple は、元のパッケージに含まれる Apple 純正のハードウェア製品および Apple 純正のアクセサリ (以下、「Apple 製品」といいます) について、エンドユーザである購入者が最初の販売店で購入した日から 1 年間 (以下、「保証期間」といいます)、Apple 発行のガイドラインに従った通常使用時における材質および製造上の瑕疵に対し、保証をします。"(※"Apple製品1年限定保証"の条文より抜粋)
ここまで、"AppleCare+"(延長保証)の規約を見ながら保証対象の範囲や条件を見てきました。
延長保証による特徴としては次の点が挙げられます。
メリットがないわけではありませんが、高額な費用が必要な点と保証対象となる故障の確率が高くないこと、初期不良が生じる時期が購入後1年の間に発生しやすいことを考慮すると、支払った費用に見合うだけのメリットは見出しにくのではないかと考えられます。
どうしても必要なら"モバイル保険"を検討してみよう!
筆者の場合、勤務先で加入している団体損害保険でスマホの液晶割れや携行品保証などもあるので過失による損傷については対応が可能です。ただし過失による損傷が対象であり、自然故障は保証対象外です。
すでに加入している保険で過失による液晶画面割れや損傷の保証に対応できるかもしれませんので、そうした保険に加入していないか確認すると良いでしょう。
また、スマートフォンやモバイル端末向けの保険が販売されていますのでこうした保険を活用することもできます。保険各社によって対象機器や保証範囲が異なりますが、比較的安価な掛け金で加入できますので一考の価値があります。
ここで"AppleCare+(延長保証)"の代替として選択肢となるスマホ・モバイル保険について考えてみましょう。
"AppleCare+(延長保証)"に加入しなくてもApple製品の購入時についてくる"1年限定保証AppleCare"とスマホ・モバイル保険類を組み合わせることで安価に過失損傷などに対応することができます。
そこで、"AppleCare+(延長保証)"に代わる3社の保険について比較をします。
✔︎ モバイル保険(さくら少額短期保険社)→モバイル保険、1契約3台まで、広範なモバイル機器対象
✔︎ スマホ保険(justInCase社)→スマホ対象、通信会社の制限なし)
✔︎ スマホ保険(Mysurance社)→スマホ対象、格安SIM専用
いずれも特徴がありますので、保証対象・範囲や条件を確認していきましょう。
なお、一般のスマホ保険、モバイル保険は"AppleCare+(延長保証)"の特徴であるテクニカルサポートの類は含まれていません。テクニカルサポートが必要なユーザーは"AppleCare+(延長保証)"一択になります。
保険は"モバイル保険"も選択肢
今回取り上げる3社の保険比較表です。(クリックすると別ウインドウで閲覧できます)
スマホ限定、格安SIM限定、モバイル機器全般が対象となるなど各社で対象範囲が異なります。
月額の掛け金も各社各様で400円程度から1,000円超まであります。
保証範囲や免責内容に各社様々です。
いずれも免責事項があることやメーカー保証範囲は対象外となる点について把握しておく必要があります。
モバイル保険(さくら少額短期保険社)
モバイル機器全般が対象です。そのため複数端末を1契約3台まで契約して柔軟に活用することができます。
スマホ、タブレット、PC、Mac、スマートウオッチ、ゲーム機、ワイヤレスイヤフォンなどWiFiやBluetoothを内蔵した端末で新規購入から1年以内(メーカー保証がある状態)であれば加入可能です。
購入から1年未満の端末が対象となっていますが、購入から1年以上たっている場合でも、メーカーやキャリアの有償補償(AppleCare+など)に加入している場合は、登録可能です。
月額費用が700円で3台登録して幅広くリスクを回避することができます。
スマホ保険(justInCase社)
iPhone、Androidスマホが対象になります。
通信会社は限定されません。一方で月額の掛け金は端末によって格差があります。
iPhoneの場合、最新でハイエンドの端末の掛け金は月額で1,000円を超えます。
Android端末の掛け金は安価で一定です。
修理は自己負担金が必要で修理回数に従って自己負担金が積み上げられます。
加入4ヶ月目以降は掛け金が平均3割程度割引になるのが特徴です。取扱の丁寧さをアプリでスコア化して割引率が変動します。
1契約1台となります。
スマホ保険(mysurance社)
格安SIM専用です。そのためdocomo、au、SoftBankで契約している端末は加入できませんが、サブブランドは加入可能です。
プランが2種類あります、画面割れや画面損傷だけが心配なら月額200円のプランで十分でしょう。
修理の際は3,000円の自己負担金が必要です。
1契約1台となります。
スマホ・モバイル保険の注意点/メーカー補償とのすみ分け
ここで紹介した3社の保険について共有の注意事項は次の通りです。
✔︎ メーカー保証の範囲は対象外となり保険金が支払われません
✔︎ 故意、重大な過失、法令違反、自然の消耗や劣化(バッテリーも)、機能に影響しない外観上の損傷などは対象外となり保険金が支払われません
また、各社の約款により保険金の支払い条件や免責事項が細かく設定されています。
保険加入の際は約款を確認してください。
AppleCare+に関するQ&A
Q:AppleCare+とは何ですか?
AppleCare+は、Apple製品の保証と技術サポートプランです。製品のハードウェアの保証期間を有料で延長し、追加のサービスを提供します。
Q:AppleCare+にはどのようなメリットがありますか?
AppleCare+には、製品のハードウェアの保証期間が延長されるほか、修理や交換のための優れたサポートも提供されます。さらに、事故による損傷に対する割安な自己負担金によるサポートも含まれる場合があります。
Q:AppleCare+はどの製品に対して利用できますか?
AppleCare+は、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、HomePod、AirPods、iPod touchなど、さまざまなApple製品に利用できます。ただし、一部の製品には利用できない場合もあります。
Q:AppleCare+に加入できるタイミングはいつですか?
AppleCare+に加入するには、製品を購入後の一定期間内(日本国内では30日以内)に申し込む必要があります。詳細な期間は国や地域によって異なる場合がありますので、Apple公式ウェブサイトや販売店で確認してください。
Q:AppleCare+の価格はどのくらいですか?
AppleCare+の価格は、製品の種類や地域(国)によって異なります。詳細な価格については、Apple公式ウェブサイトや販売店、またはこのページの後段で確認してください。
Q:AppleCare+に加入しないとどうなりますか?
AppleCare+に加入しない場合、製品のハードウェア保証は通常(1年間)の製品保証期間のみが適用されます。また、事故や損傷による修理や交換には追加の費用がかかる場合があります。
AppleCare+ の料金(製品別)
ここでAppleCare+の料金(掛け金)を紹介します。
※各料金は記事作成または更新時のものです。
【AppleCare+ for Macの料金】
Mac:"AppleCare+"料金(税込) | |
MacBook Air(13インチ/M2) | 9,800円/1年間、27,800円/3年間 |
MacBook Air(13インチ/M3) | 10,800円/1年間、29,800円/3年間 |
MacBook Air(15インチ/M3) | 12,800円/1年間、34,800円/3年間 |
MacBook Pro(14インチ) | 16,400円/1年間、44,800円/3年間 |
MacBook Pro(16インチ) | 23,400円/1年間、62,800円/3年間 |
iMac | 9,800円/1年間、26,800円/3年間 |
Mac mini | 5,800円/1年間、15,400円/3年間 |
Mac Studio | 9,400円/1年間、24,800円/3年間 |
Mac Pro | 26,800円/1年間、74,800円/3年間 |
https://www.apple.com/jp/support/products/mac/(外部リンク)
Macの場合、"AppleCare+"加入の必要性を感じません。実際に筆者は多くのMacを使ってきましたが、購入後1年以内の初期不良1台と4年目以降の摩耗や消耗による故障2件を経験しました。これは"AppleCare+"に加入していてもメリットがないということをたった1ユーザーの経験で理解できます。
仮に補償を延長していたとしてもその分コストが増加しますからメリットはありません。
※1年間プランは解約しない限り自動更新
【AppleCare+ for iPadの料金】
iPad "AppleCare+"料金(税込) | |
13インチiPad Pro(M4) | 1,350円/月、26,800円/2年間 |
11インチiPad Pro(M4) | 1,180円/月、23,800円/2年間 |
13インチiPad Air(M2) | 850円/月、16,800円/2年間 |
11インチiPad AirM2) | 650円/月、12,800円/2年間 |
iPad、iPad mini | 550円/月、10,800円/2年間 |
※月払いプランは解約しない限り自動更新
https://www.apple.com/jp/support/products/ipad/(外部リンク)
今までiPadを5台利用しましたが、故障は1度もありません。最長で6年以上保有しているのが初代の"iPad Pro 9.7インチ"で今も現役で故障もなく使っています。iPadの場合、落下によるリスクが高いとは言えませんから"AppleCare+"は不要です。
【AppleCare+ for iPhoneの料金】
iPhone "AppleCare+"盗難・紛失プラン料金(税込) | |
iPhone 16 Pro・Pro Max | 1,740円/月、34,800円/2年間 |
iPhone16/15/14 Plus | 1,540円/月、31,800円/2年間 |
iPhone16/15/14 | 1,340円/月、26,800円/2年間 |
iPhone SE(第3世代) | 740円、14,800円/2年間 |
iPhone "AppleCare+"料金(税込) | |
iPhone 16 Pro・Pro Max | 1,580円/月、31,800円/2年間 |
iPhone16/15/ 14 Plus | 1,380円/月、28,800円/2年間 |
iPhone16/15/14 | 1,180円/月、23,800円/2年間 |
iPhone SE(第3世代) | 580円/月、11,800円/2年間 |
※月払いプランは解約しない限り自動更新
https://www.apple.com/jp/support/products/iphone/(外部リンク)
"iPhone"シリーズについては"AppleCare+"に加入することを必ずしも否定しません。理由は常に持ち歩くことで落下による損傷リスクが高いことです。さらにバッテリー劣化も他の製品と比べると速いでしょう。損得で考えると必ずしもメリットがあるとは思いませんが、保険という前提であれば丁寧なサポートが受けられるという点もふまえて加入しても良いと考えています。ただし、iPhoneについては他のモバイル保険やスマホ保険を検討することも選択肢となります。
【AppleCare+ for Apple Watchの料金】
Apple Watch "AppleCare+"料金(税込) | |
Apple Watch Ultra2 | 740円/月、14,800円/2年間 |
Apple Watch Series10 | 580円/月、11,800円/2年間 |
Apple Watch SE | 340円/月、6,800円/2年間 |
Apple Watch Hermes/Ultra | 740円/月、21,800円/3年間 |
※月払いプランは解約しない限り自動更新
https://www.apple.com/jp/support/products/watch/(外部リンク)
【AppleCare+ for Apple Displayの料金】
Apple Display:"AppleCare+"料金(税込) | |
Apple Studio Display | 9,000円/1年間、24,400円/3年間 |
Pro Display XDR | 28,800円/1年間、77,800円/3年間 |
https://www.apple.com/jp/support/products/display/(外部リンク)
※1年間プランは解約しない限り自動更新
【AppleCare+ for Headphonesの料金】
Headphones:2年間の"AppleCare+"料金(税込) | |
Air Pods、Air Pods Pro、Beats | 4,600円/2年間 |
Air Pods Max | 8,800円/2年間 |
いかがですか?どのApple製品も数千円から7万円台まで、けっこうな金額ですよね。iPhone、iPad、Macを所有して、この金額を払い続けると相当な金額になります。2022年7月1日の値上げでさらに加入しづらくなりました。
アドバイスするまでもありませんが、製品購入後はすぐに使用開始するということです。購入時に付いている保証はあくまでも"購入後1年間"です。初期不良は使用開始後すぐに発現するわけではありません。メーカーはユーザーの使い方まで考慮しませんので、とにかく購入したらすぐに使い始めることをおすすめします。
【AppleCare+ for Apple TVの料金】
Apple TV:3年間の"AppleCare+"料金(税込) | |
Apple TV | 4,200円/3年間 |
https://www.apple.com/jp/support/products/appletv/ (外部リンク)
【AppleCare+ for HomePodの料金】
HomePod:2年間の"AppleCare+"料金(税込) | |
HomePod | 6,400円/2年間 |
HomePod mini | 2,200円/2年間 |
https://www.apple.com/jp/support/products/homepod/ (外部リンク)
まとめ
筆者は過去に3回"Apple Care+"に加入したことがありましたが、結局メリットはありませんでした。この経験から"Apple Care+"加入の必要がない、という結論になりました。
現在のように月払いプランや年間プランで自動更新して保証を継続する方法はありますが、支払い総額が増えますし、保証範囲内の故障が少ないので必ずしもメリットはあるとは思いません。
一方でiPhoneのように持ち歩く機会が多い端末は"Apple Care+"加入を検討しても良いと思います。理由は使用する機会が多くその分、過失による損傷やバッテリー劣化の可能性が高くなるためです。この場合もコストメリットはほとんどありませんが、保険ということで安心代ということになります。
"Applecare+"はリスク(故障や過失損傷の可能性)とコスト、さらにテクニカルサポートを必要とするか否か、などを検討材料にします。
iPhoneを落下損傷させた、バッテリーの劣化が激しく交換した、などの経験やリスクを感じるのであれば、"Apple Care+"を検討しても良いと思います。
私はiPhoneやその他のMacで過失による損傷の経験はありませんし、自然故障や劣化も購入後1年以内、もしくは購入後3年以上という経験しかありません。
"AppleCare+"はテクニカルサポート付きの保険という視点で検討しましょう。
参考になれば幸いです。
参考記事→整備済みMac mini 購入、MacBook Proから乗り換えた理由
参考記事→iPhoneを手に入れる賢い方法とコスト抑制のテクニック
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