「格安SIM、格安スマホに乗り換えたい」、「でも、メリットやデメリットがよくわからない、料金は本当に安くなるの?」という方、不安ですよね!
この記事では格安SIM、格安スマホの特徴やオススメの格安SIMについて説明しています。
特に格安SIMは目的や通信品質、コスト、オプションの特徴などを吟味して選ぶことになります。
格安SIMへの乗り換えの際の注意点や理解しておくべき点にも触れていますので、格安SIM選びの参考にしてください。
2020年12月以降、docomoの"ahamo"、ソフトバンクの"LINEMO"、auの"povo"といった中容量のプランが発表されています。
これに応じるようにサブブランドからも新たなプランが発表されていますので、今後はさらに格安SIM、格安スマホ選びの選択肢が増えます。
目次
格安SIM、格安スマホのメリット・デメリット、なぜ格安で利用できるのか

格安SIMとは、大手キャリア(移動体通信事業者/MNO)である、docomo(NTT docomo)、au(KDDI)、Softbank3社以外の仮想移動体通信事業者(MVNO)が提供・販売する通信用のSIMカードを指します。
格安スマホは仮想移動体通信事業者(MVNO)が販売するスマートフォンのことを指します。通常はSIMカードとセットで販売しています。すでにSIMカードの契約があるMVNOから端末だけ追加購入や機種変更で購入することもできます。
スマホは今のまま使いたい場合はSIMロック解除をすればそのまま使えます。各社が動作確認済み端末情報を開示していますので事前に確認をしておくとイイでしょう。
現在は楽天モバイルが第4のキャリアとして事業を展開しています。同社は電波エリアの拡充が進んだとはいえ繋がりやすい"プラチナバンド"がないため他のキャリアと比較すると通信品質面で不利です。
キャリアは"MNO"、格安SIM事業者は"MVNO"といいます。"MVNO"は料金が大手3社と比べると安価に運用できるため"格安SIM"と呼ばれています。
また大手キャリアが展開するサブブランドもあります。具体的にはUQモバイルとYモバイルがサブブランドに該当します。
※MNO="Mobile Network Operator(移動体通信事業者)"、MVNO="Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)"
大手キャリア3社は通信設備等を自前で構築し事業の展開をしていますが、格安SIMの事業者はこの大手キャリア3社から回線を借りて通信事業を展開しています。そのため、設備投資などが少なく低コストで運営することが可能になります。
また、キャリア3社から借りる際の価格設定は総務省の指導を受けることで、コストを一定のレベルにおさえることも可能になります。
このためキャリアと比べると格安SIMは比較的安価なコストで通信を提供することが可能になります。
その結果として「毎月の固定費を安く抑えたい」というユーザーの要望に応えることになります。
ただし前述の通り、2020年12月にdocomoの"ahamo"から月額2,970円(税込/通話プラン付)で月間20GBまで利用でき、さらに20GBを使い切っても最大1Mbpsの速度で通信できるという新たなプランが発表されました。
さらに、後発でauから"povo"、softbankから"LINEMO"として月額2,728円(税込/通話プラン別)で月間20GBまで利用でき、さらに20GBを使い切っても最大1Mbpsの速度で通信できるプランも発表されました。
※povoは現在"povo2.0"としてユーザーが使い方に応じて月間容量を選択するプランに変更さレました。
月間10GB以上利用する中容量ユーザーの選択肢としてはこの三択のいずれかを選ぶことになると思われます。
一方で、格安SIM(MVNO)から小容量、中容量のプランが順次発表されています。
格安SIM、格安スマホのメリット
格安SIM、格安スマホのメリットは何といっても低価格であることです。費用は小容量プラン(1GB〜6GB前後)であれば通話機能付きのSIMカードで月額1,000円台程度から2,000円台に収めることができます。
販売されているスマートフォンも比較的安価であり、セットでの割引や新規・MNPで購入する場合も割引が用意されている場合があります。
総務省の指導により2019年10月以降は、契約期間中の解約条件などを見直したことで解約金が無料になりました。
乗り換え前の端末の残金があれば残金を一括で支払う(分割が継続する場合もあり)必要がありますが、こうした点も考慮して格安SIM導入を検討すると良いでしょう。
さらに2021年4月以降は通信会社乗り換え時の各種手数料の一部無償化や通信業者による引き止め行為禁止などあり、ユーザーにとっては乗り換えやすい環境になりました。
今までキャリアで高額な月々の支払いに不満を持つユーザーにとっては高額な支払いから逃れられるのでメリットがあります。
各社とも新規やMNPの場合は最初の数ヶ月間はキャンペーン割引が用意されている場合がありますので、こうしたチャンスを利用するのもイイでしょう。
格安SIM、格安スマホのデメリット、注意点

知識が必要
格安SIM、格安スマホは安さと引き換えに、ユーザーにSIMカードの契約・購入から回線の切り替え、端末の設定などに関する知識が要求されます。
未経験の方にとっては難易度が高くなります。最近では店舗展開する格安SIM事業者や大手家電量販店が格安SIM、格安スマホの販売をしていますので、近くに大手家電量販店やショップがある場合は、こうしたところに頼るのも良いでしょう。
自分で知識を身につけるか、誰かに助けてもらうという2つの方法で課題を解決することができます。
ahamo、LINEMO、povoはオンラインのみのサポートのためオンラインでの手続きが苦手なユーザーには難易度が高くなります。
この点は格安SIMと同じですね。
通信速度が課題
格安SIM事業者は大手キャリアから回線を借り受けています。そのため、データ通信速度が遅くなりがち、というデメリットがあります。
これはどういうことかというと、大手キャリアは自社の利用する通信帯域(「道路の幅」と考えるとわかりやすいです)を広く確保することが可能です。自社の設備ですから当然ですね。
一方で格安SIM事業者は回線を借り受けている関係で、帯域(道路の幅)の制約を受けます。
たくさんコストを掛ければ通信帯域(道路の幅)を広くすることが可能ですが、回線契約数とコストのバランスを考慮しなければなりません。
格安SIM事業者といえどもビジネスですから、できるだけ無駄なコストは抑えようとします。
特に速度が低下するタイミングは1日の中で「平日昼の12時台」です。あとは、朝の7時、8時台、夕刻の6時台、7時台です。
また時間に関係なく、人が多くて混雑する場所でも速度が低下します。都市部のターミナル駅などでも通信速度が低下する傾向にあります。
反面、混雑する時間帯以外では気になるような速度低下はほとんど見られません。そのため、混雑時間帯の速度低下が気にならない方には全く問題になりません。
次に実際の使用でどれくらいの速度が必要かということについて記載します。
動画よりWEBサイトの閲覧の方が速度を要求される
では、実際の通信に必要な速度はどれくらいでしょうか?
通信速度は通常○○Mbpsとか○○○Kbpsと表記されます。これは1秒間にどれくらいのデータ量の通信ができるか、という単位を表しています。
"Mbps(Mega bit per second)"や"Kbps(Kilo bit per scond)"という単位を使います。
なお"1Mbps"と"1,000Kbps"は同じ速度、1,000,000bpsです。
ここでは詳細な説明は省きますが、一般的にWEBサイトを見たり動画を見るときは下り(ダウンロード)の速度が重要になります。
資料などデータの送信時には上り(アップロード)の速度が重要になります。
ここからの説明は私の個人的な体験に基づいて見解を述べます。
WEBサイトの閲覧に必要な通信速度
概ね1Mbps以上あれば大きなストレスなく閲覧ができます。ただし、WEBサイトの構成上、画像や動画などが多く配置されているとさらに早い通信速度が要求されます。
格安SIMの場合、昼の12時台以外は概ね数Mbpsから数十Mbps以上の速度が出ますから、昼の12時台を除けば大きなストレスを感じることはないでしょう。
私の経験では昼12時台のWEBサイト閲覧はストレスを感じることが多いです。特に速度が500Kbpsを下回ると大きなストレスを感じることになります。
YouTubeなどの動画の視聴に必要な速度
動画は高い速度を要求されると考えている方が多いかもそれませんが、意外にもWEBサイトほどの速度は要求されません。
500Kbps以上の速度が安定して出ていれば快適かどうかは別にして"YouTube"なら動画視聴は可能です。
動画サイトの圧縮技術にもよりますが、"YouTube"であれば動画のビットレートが自動調整されますので画質にこだわらなければ大きな問題はありません。
私の経験では500Kbps前後だと"YouTube"が240pから360Pの画質で視聴できます。
これは動画がデータの先読み(バッファリング)によって徐々にデータを読み込み、動画の最初の部分の表示に必要なデータが読み込まれると動画再生を開始する仕組みになっているからです。
よほど通信が不安定でなければ途中で停止することはありません。
私は月に数回、東海道新幹線に乗車しますが、東海道新幹線乗車時の動画閲覧(YouTube)で止まることはほとんどありませんでした。
一方で、"NETFLIX"は500Kbpsでも視聴は可能ですが、最初の読み込みに時間がかかるのと画質が粗いです。また、通信速度が不安定になると再生が止まったりします。
"HULU"や"Amazon Prime Video"、"Apple TV+"の場合は500Kbpsでの動画視聴はできませんでした。
結論としてWEBサイトは1Mbps以上の速度、動画("YouTube"に限る)は500Kbps以上の速度があれば表示や再生についてはおおむね問題はないということになります。
もちろん速ければ速いほどストレスなく快適に楽しむことができます。
利用した格安SIMの評価
次は私が今まで試したことのある格安SIMの評価です。
※格安SIM、サブブランドを含みます。
Biglobeモバイル(Aタイプ/au)
通信速度ではキャリアやUQモバイルに敵いませんが、通信速度とコストとのバランスが良いです。
平日昼の通信速度が緩やかでイライラすることが少なかったです。
現在は料金プランのバリエーションが少なくあまり力が入っていない印象です。
Biglobeモバイルで便利なのは"エンタメフリーオプション"というデータ通信がフリーになるオプションです。対象サービスが限定されますが、YouTubeや音楽のストリーミングサービスを多用するユーザーには便利です。
関連記事→格安SIM/Biglobeモバイル はエンタメフリーでYouTube見放題!コスパ良し!
UQモバイル(KDDIサブブランド)
UQモバイルは通信速度の点ではベストな選択の一つになります。
UQモバイルは、昼12時台の速度が1Mbpsを軽く超えます。通信速度で不満を感じることはありません。
UQモバイルは価格をおさえながらも通信速度にこだわる方に向いています。
低容量ユーザーにおすすめできますが、中容量・大容量ユーザーにはまったく向かないプランです。
関連記事→格安SIM乗り換え計画!LINEモバイルからUQモバイルかBiglobeモバイルか!
mineo
mineoはdocomoやauのタイプで利用したことがあります。現在もauのタイプでメイン回線として使用しています。
当初、速度に期待していたのですが、とにかく平日の昼12時台の速度が遅いです。平日の昼12時台の通信速度が気になる方にはおすすめできません。あとは通勤時間帯の地下鉄が遅いです。
mineoには"パケット放題"というオプションがあって、1.5Mbpsに速度制限されますので、快適さはいくらか犠牲になりますが、データ消費をしないことからデータ消費を気にせずに使いたいという方には便利なオプションです。
ただし、平日昼の12時台はおおむね200Kbps台の速度になることが多く、この時間帯に限っていえば使い勝手としては厳しいです。もちろん平日昼の12時台以外の時間帯ではほぼ1.5Mbpsを維持します。
マルチキャリアのためdocomo、au、softbankの回線から選択できます。
※au回線タイプの場合は直近3日間で6GB消費すると速度制限となる場合があります。
関連記事→【ユーザーが徹底解説】mineoは遅い? おすすめ料金プランはマイピタ+パケット放題Plus!
IIJmio
IIJmioは格安SIMとしては歴史もあり、企業自体の規模も大きく信頼性のある事業者です。価格、安定性や設備の充実度で定評のある格安SIMですが、昼12時台の速度は一般的な格安SIMと同じく遅いです。
現在はeSIMと家族の物理SIMで検証中です。平日昼の12時台では500Kbpsから600Kbpsくらいの速度がほとんどです。速度が遅いときは400Kbpsくらいまで落ちます。昼の12時台以外は十分な速度が維持されています。
IIJmioは2021年2月24日に新プランとして"ギガプラン"を発表しました。
関連記事→"IIJmio"ギガプランは安定の通信速度と料金の安さが魅力!
楽天モバイル
楽天モバイルは格安SIMとして事業展開していましたが、2020年4月から第4のキャリア(MNO)として通信事業を展開しています。冒頭でも記載していますが、MNOとしての実力や将来性は未知数です。
自社エリアの拡大、プラチナバンドの獲得、iPhoneなど対応機種の拡大、サポートの充実が課題としてあります。回線契約申込数はようやく250万件を超えたようです。
回線契約数が少ないためか現在は大都市圏、特に東京都23区内においては安定した速度を維持しています。一方で大都市圏以外ではほとんどがパートナー回線のauから回線を借りています。特に速度制限時は1Mbpsという触れ込みですが、実際には800Kbpsくらいですが安定しない時は500Kbpsくらいまで落ち込むことがあります。
2020年7月上旬に無料電話アプリの"Rakuten Link"がiOS向けにもリリースされXS、XR以降のiPhoneに対応したことでiPhone対応が徐々に進んでいます。
2021年4月から料金プランがアップデートされ従量制となり、月間1GB未満のデータ使用であればなんと0円と破格の料金設定です。さらに3GBまでなら月額980円、20GBまでなら月額1,980円、20GBを超えると2,980円という料金設定です。
対応エリアは自社エリアも少しづつ拡大を続けていますが、"プラチナバンド"つまり壁や建物など遮るものがあっても電波が届きやすい帯域を割り当てられていないため、環境的には不利なので、サブ回線(副回線)としての利用で様子を見ることをお勧めします。
関連記事→楽天モバイルはつながらないの?エリア、料金など総評価!大都市や副回線なら問題なし!
格安SIMまとめ

この記事の内容はあくまでも私の体験によるものです。測定場所の環境や測定の時期によって速度が大きく変化することがあります。また格安SIMの通信速度は半年や1年という単位で速度の傾向が変化することがあります。こうした点を理解いただいた上でまとめをお読みください。
ここ4年ほど、いくつかの格安SIMを試しました。大手キャリアと比べるといずれの格安SIMもコスト、速度の点でバランスが取れています。しかしながら中には極度に遅い速度を示すことがあります。
格安SIMに求めるものはユーザーごとで異なります。速度なのか、コストなのか、それとも通話プランなのか様々です。あなたのニーズがどこにあるのかを慎重に考えて検討してください。
2019年10月から多くの格安SIM事業者が解約条件をあらためていますし、2021年4月からさらに乗り換えやすい運用が始まりました。
格安SIMは手持ちのスマホがあればSIMロック(現在はほとんどがSIMロックなし)を解除し、これを活用して固定費を下げることが可能になります。格安SIM事業者でも端末が販売されていますので、機種も変更したい方はこうした端末を活用する方法もあります。
現在は格安SIMもキャリアの差が少なくなっていて、手頃な料金プランを導入しやすい環境といえます。ある程度の知識は要求されますが、ご家族や知人に詳しい方がいれば手伝ってももらうのも良いでしょう。皆さんも格安SIMや中容量のキャリアの新プランにトライしてはどうでしょうか。
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