AppleCare+(延長保証)の保証規約で保証の対象範囲を確認してみよう!

今回は"AppleCare+(アップルケアプラス)の保証規約篇"です。

"AppleCare+"の有料延長保証は全ての不具合が対象というわけではありません

保証の対象範囲は保証規約を確認しておく必要があります。

"AppleCare+"の無償保証の対象範囲は「製造上または材質上の不具合に起因する場合」に限られます。

また、無償ではなく一定の自己負担金で修理できる対象(いわゆるADH)は「過失による損傷」に限られます。しかも損傷の状況や程度によっては対象とならない場合があります。

一方で、"AppleCare+"にはテクニカルサポートのサービスや保証対象のAppleと一緒に使用または対象製品と同時に購入したApple純正のアクセサリーが保証対象となります。

また、テクニカルサポートはハードウェア保証とは異なり、ユーザーの製品やアプリケーションへの習熟度によってはとてもメリットの大きいサービスになります。

この記事では規約を見ながら保証の対象範囲を確認します。

関連記事→AppleCare+は不要!Apple歴23年でも故障は少ない!損傷はモバイル保険でカバーしよう

"AppleCare+"は保証規約の確認から

まず、無償で修理が可能となる保証の対象範囲を見ましょう。

"お客様が、本プランの期間中に Apple に対し、材質上または製造上の不具合が対象機器に生じた旨、または充電式 バッテリーを内蔵する対象機器に関して、対象デバイスのバッテリーの蓄電能力が本来の仕様の 80 % 未満になった旨 のいずれかを通知することによって有効な請求を行った場合、Apple は、(i) 新品の部品、または性能および信頼性に おいて新品と同等の部品を使用して無償で不具合品の修理を行うか、(ii) 当該対象機器を新品の交換用製品、または性 能および信頼性において新品と同等の交換用製品と交換します。"(※"AppleCare+ for Mac"の条文より抜粋)

ポイント

  • 材質上または製造上の不具合が対象
  • バッテリーの蓄電能力が本来仕様の80%未満
  • 修理に使用する部品が新品とは限らない
  • 製品ごと交換の場合交換用製品または新品同等品となる場合がある

特に理解しておく必要があるのは一番目に挙げた"材質上、製造上の不具合"という文言です。

これは次に挙げる条文とも併せて理解しておく必要があります。

"通常の使用による経年劣化、または対象機器の機能に影響しない外観上の損傷"

つまり無償修理の保証対象となるのはあくまでも"材質上、製造上の不具合"であって、"使用過程の影響で発生した不具合は無償保証の対象にならない"ということです。

故障したからといって全てが無償修理の対象になるわけではありません。

保証規約をしっかりと確認してから"AppleCare+"(延長保証)の加入を検討しましょう。

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"AppleCare+"無償修理の補償範囲

無償修理の対象範囲は整理すると次のようになります。

✔︎ 材質上または製造上の不具合が生じた場合

✔︎ 内蔵するバッテリーの蓄電能力が本来仕様の80%未満になった場合

材質上、製造上の不具合とはいわゆる"材質や部品のばらつき"や"製造過程におけるばらつき"が原因になりますから、一般的には対象製品の使用開始後、早い段階で生じると考えられます。

私の場合、使用開始後1週間程度でMac miniの内蔵ファンが常時爆音で動作し続けるという症状が生じたため無償修理となったことがありました。

バッテリーは使用状況により消耗の程度に格差があると思われますがメリットについては有償で修理した場合の費用と"AppleCare+"(延長保証)の費用を比較すると微妙なところです。

なお、Apple製品購入時に付属する1年限定保証ではバッテリーの蓄電能力に対する保証はありませんから、この点は"AppleCare+"の無償保証の特徴と言えるでしょう。

自己負担金が必要な過失損傷の条件

"AppleCare+"(延長保証)は無償で修理できる範囲がある以外に過失による損傷について一定の自己負担金で修理できるサービスがあります。(AHDサービス)

規約の条文は次の通りです。

"お客様が、本プランの期間中に Apple に対し、不測かつ不慮の外的事由 (落下や液体接触による損傷など) の結果生 じた過失や事故による損傷 (以下「ADH」) により対象デバイスが故障したことを通知することにより有効な請求を行っ た場合、Apple は独自の裁量により、以下に記載するサービス料金にて、(i) 新品の部品、または性能および信頼性にお いて新品と同等の再生部品を使用して不具合品の修理を行うか、(ii) 当該対象デバイスを新品の交換用製品、または性 能および信頼性において新品と同等の交換用製品と交換します。お客様が ADH のサービスを受けることを「サービス イベント」と呼びます。なお、以下の点にご留意ください。Apple がお客様に対して本プランの領収書原本に記載され ている購入日を基準に 12 か月の期間につき 2 回のサービスイベントを提供することにより、ADH のサービスは終了し、本項に基づく Apple のお客様に対するすべての義務が履行されたことになります。未使用のサービスイベントは失 効し、その後の 12 か月間は新しい ADH サービスイベントが 2 回まで保証されます。本プランのその他すべてのサー ビスは、プランが終了するまで保証されます。"(※"AppleCare+ for Mac"の条文より抜粋)

端末を落としたり、液体をかけてしまって対象製品が動作しなくなったりした場合に通常の修理料金より低価格で修理ができるサービスです。

"Apple は独自の裁量"という表記が気になりますが、過失損傷のリスクがある場合はこの制度はいくらかメリットがあります。

ただし、"AppleCare+"(延長保証)の費用と修理時の自己負担金の合計を考慮すれば微妙な印象があります。

また、このサービス(ADH)には修理回数の制限があり、1年間に2回までで、未使用の権利の翌年への繰越はありません

この点も考慮すべきです。

"AppleCare+"はアクセサリー類も対象範囲に

"AppleCare+"(延長保証)には対象製品と同時に購入したApple製の周辺機器類や購入時にパッケージに含まれていたApple製の周辺機器類が対象となる場合があります。

"本プランは、次の機器 (総称して「対象機器」) を対象としています。(i) お客様の本プラン確認書に記載されている Apple ブランドの Mac コンピュータまたはディスプレイ (お客様の Apple ブランドのディスプレイに含まれていた、 もしくは同時に購入された Apple ブランドのスタンドや VESA マウントを含む)、購入時のパッケージに含まれていた Apple ブランドのアクセサリ (以下「対象デバイス」)、(ii) Apple ブランドのマウス、Magic Trackpad、Apple ブラン ドのキーボード (対象デバイスに付属する場合、または Mac mini もしくは Mac Pro とともに購入された場合)、 Apple ブランドの VESA マウントやスタンド (Mac の対象デバイスに付属する場合、または Mac の対象デバイスとと もに購入された場合)、Apple メモリモジュール (RAM)、および Apple USB SuperDrive (以下「Mac アクセサ リ」) (お客様がこれらの製品を対象デバイスの購入日の 2 年前以降に最初に購入し、対象デバイスとともに使用してい る場合)。"(※"AppleCare+ for Mac"の条文より抜粋)

一方で"AppleCare+"(延長保証)に加入しない場合はAppleの「1年限定保証」が適用されますが、こちらも対象製品のパッケージに含まれる周辺機器類が保証対象となります。

"Apple は、元のパッケージに含まれる Apple 純正のハードウェア製品および Apple 純正のアクセサリ (以下、「Apple 製品」といいます) について、エンドユーザである購入者が最初の販売店で購入した日から 1 年間 (以下、「保証期間」といいます)、Apple 発行のガイドラインに従った通常使用時における材質および製造上の瑕疵に対し、保証をします。"(※"Apple製品1年限定保証"の条文より抜粋)

まとめ・保証規約面でメリットはあるのか?

ここまで、"AppleCare+"(延長保証)の規約を見ながら保証対象の範囲や条件を見てきました。

延長保証による特徴としては次の点が挙げられます。

ポイント

  • 保証が2年延長で計3年または月額支払いの場合は自動延長できる(当然費用が必要)
  • 同時購入または一定条件で同時に使用するApple製周辺機器類も保証対象になる
  • 内蔵するバッテリーの蓄電能力が本来仕様の80%未満でバッテリー無償交換修理が可能
  • 過失による損傷の場合、通常より安価な料金で修理が可能

メリットがないわけではありませんが、高額な費用が必要な点と保証対象となる故障の確率が高くないこと、初期不良が生じる時期が購入後1年の間に発生しやすいことを考慮すると、支払った費用に見合うだけのメリットは見出しにくのではないかと考えられます。

一方で"AppleCare+"(延長保証)にはテクニカルサポートが付帯します。アプリケーションや対象のApple製品の設定など様々な場面で丁寧なサポートを受けることができます。これは"AppleCare+"の大きなメリットです。

製品の扱いに慣れていない、トラブルの時に自己解決できる自信のないユーザーにとってはメリットの大きいサービスです。

工業製品を故障率で検証した記事→“AppleCare+“ を故障に遭遇する確率でみるとメリットが少ない!

故障の内容によっては保証対象外となる場合もあることから、規約をよく見て判断する必要があります。

今回は保証対象の範囲という点で検証しました。

参考動画→Apple Care+(延長保証)は必要ですか?Apple歴20年の結論!

参考動画→AppleCare+(延長保証)は必要なのか?そもそもそんなに故障しない!

<ガジェットブログ:Tangerine>



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